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zoom RSS 高慢と偏見 を読む

<<   作成日時 : 2018/01/29 17:44   >>

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 タイトルが、何だかお堅そうだな〜と思ったアナタ!
 これはバリバリの恋愛小説。

 十九世紀初頭の話なので、会話がまわりくどかったり、人々の生活様式に馴染みがなくて頭が混乱するけれど、人間の思考回路や若い男女の恋愛模様は古今東西不変なのだ、ということがわかるホモサピエンス的傑作である。

 かつてモームが本書を「世界十大小説」にリストアップしたが、私も「自分十大小説」に入れているほど、この四半世紀、繰り返し読んだ本。
 一年に一度は読み返しているんじゃなかろうか。


高慢と偏見 (中公文庫)
中央公論新社
2017-12-22
ジェイン・オースティン


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 主人公は、ベネット家の次女エリザベス。
 近隣に独身の好青年ビングリーが越してきて、エリザベスの姉ジェーンと懇意になる。エリザベスは、ビングリーの友人ダーシーに容姿を貶されたため彼を嫌うようになるが、ダーシーはだんだんエリザベスに惹かれていき…というのが話の始まり。
 ここにダーシーの幼馴染の男や、ベネット家の相続人、節操のない妹達の所業などが絡んで、エリザベスとジェーンの運命は二転三転する。

 「高慢」も「偏見」も、エリザベスがダーシーの手紙を読んだ後で自分を振り返る時のキーワードで、読者はここにきてタイトルの意味を知る仕掛けである。

 エリザベスがペムバリーを訪問するとき、読者も一緒に胸の高鳴りを覚え、慌て、ときめき、気が付けば小説にどっぷりはまっているだろう。


 オースティンの長編小説6作はすべて読んだが、彼女の小説は極めて「平熱」で、事件らしい事件はほとんど起こらない。
 主人公はすべて若い女性で、彼女たちは総じて常識的で勤勉であり、自分の行動を客観的に判断できるだけの知性を備えている。
 中には「痛い目」にあって、初めて自分を知るという少女漫画のようなヒロインもいて、かなりコメディ寄りのものからより真摯なトーンのものまで、バラエティに富んでいる。
 ちなみに、オースティンの長編は、すべて「ヒロインが結婚するまで」の話であるが、主人公の性格も境遇も違うため、一つとして似たような話がなく、どれもこれも最後はめでたしめでたし、安心して読めるところがいい。

 6篇の小説に出てくるヒロインのお相手のうち、私が好きなのは、「ノーサンガー・アビー」のミスター・ティルニー。
 この人は牧師だがそれなりの資産を持っていて、容姿も良ければ人物も真っ当、なにより「ジョーク」のわかる男なのだ。
 行動力もあり、細やかな気遣いもできて、くうー、キャサリン(ヒロイン)羨ましいわ!と思わずにはいられない。

 「結婚前は両目を開けてよく見、結婚したら片目を瞑って暮らせ」と亡き祖母は言ったが、まさにそれを地でいくオースティンの小説である。
 ついでに「人生は真摯に向かい合うものだけど、多少の笑いや失敗も必要よ」ともオースティンは教えてくれるのであった。



 ところで、「高慢と偏見」はこれが二種類目の蔵書。


高慢と偏見〈上〉 (岩波文庫)
岩波書店
ジェーン オースティン


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 もともと岩波文庫版を持っていたが、淑女が「〜ちまった」とか「ありゃしない」などど、かなりくだけた言葉遣いなため、いつもひっかかりながら読んでいた。
 おまけに話の辻褄が合わないところも数か所あり、原文が気になって英語版(ペンギンクラシックス)も買った(どんだけ好きなのよ)。
 しかし私の英語力は「この訳、たぶん違うよね」くらいのレベル、原文の微妙なニュアンスを感じ取ることはできないし、関係詞でどんどんつながる文も、どれがどこにかかるんだか?と難しいのであった。

 他にも数社から文庫版が出ているが、今回の訳者が書いた「マンスフィールド・パーク」が読みやすかったので、新訳の「高慢と偏見」も買ってみた次第。

 この中公文庫版では、全体の会話のトーンが統一されていて読みやすいし、意味不明だった部分も納得のいく訳になっていた。

 一方で、部分的には岩波文庫版の方が「絶妙な訳」と思える部分もあり、読み比べることで翻訳の難しさと奥深さを味わえる。
 大人になって何が良かったかって、こうやって時間と遊べるところだ。 






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