2007年スイス旅行記その12~スイスといえば氷河急行!

6時前に目が覚める。辺りはかなり暗い。谷底だからかな?朝食のとき、ゴルナーグラートのホテルで一緒だった日本人の親娘連れに再会する。娘がフランスに留学していて、夏休みに合わせて日本から来た親と旅行しているとのこと。物静かな人たちだが、とても仲が良さそうで微笑ましい。それにしても、ここも日本人が多く泊まっていた。ツアーで使うようなレベルではないので、ほとんど自分で選択しているものと思うが、私を含めて情報ソースが似たり寄ったりなのだろう。

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チェックアウトし、早めに駅に向かう。ホームには待望の氷河急行が。一本早いクール行きと、私が乗るサンモリッツ行きが並んで停車している。クール行きは従来の車両、サンモリッツ行きは新型パノラマ車両である。比べると、窓の大きさが全然違う。しかし、従来型は窓が開くようで、写真を撮るなら従来型のほうが良さそうだ。

私の乗るAM9:08発サンモリッツ行きは、機関車、一等二両、ビュッフェカー、二等三両の7両編成である。一等車のうち一両は、なんとJTBの貸切。私が乗ったほうも満席だった。ツェルマット駅でちゃんと切符が取れたのは、運が良かったのかもしれない。


座席は通路を挟んで二人と四人のよくある一等車レイアウトだが、席まで食事が運ばれるので、間にすべてテーブルがある。私は四人掛けのほうで、相席はカナダ人の老夫婦とその娘。娘さん(40代)はスイス在住で、カナダから遊びに来た両親と旅行しているらしく、三人の会話は英語である。気さくな人たちで、時々会話に混ざる。カナダに行ったことがあると言うと、とても喜んでくれた。

席にはイヤホンが備え付けられ、数か国語で沿線の見所を解説してくれる。もちろん、日本語もある。ただ残念なことに、席が通路側のため、天井まで窓があるとはいえ、景色がイマイチ。それに他人に何時間も囲まれているのは、どうにも居心地の悪いものだ。せめて二人掛けのほうなら良かったのになあ。

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キアヌ・リーブスみたいな車掌が検札に来たあと、給仕係が飲み物のオーダーとカトラリーをセットしに来る。これがまた、すごい。チーフは痩せた白人だが、バッチリ化粧しているものの、その声、その腰つき、どうみても男・・・?カトラリー係は男女二人いたが、どちらもラテン系の顔立ちで、衣服や髪型がどことなく中南米風である。まるでペルーの高原列車にでも乗った気分だ。しかもカトラリーの並べ方がでたらめで、客に何か言われてもドイツ語もフランス語もわからないようで、チーフに怒鳴りつけられ泣きそうである。移民なのかなぁ?

列車はマッター谷を下って(ここは一昨日通ったルート)、ブリークで方向を変え東へ向かう。地図ではわからなかったが、細かいカーブがたくさんあり、ずんずん山を登っていく。車体もかなりの揺れで、グラスをはじめスプーンやフォークがすべりだし、おちおち景色を見てもいられない。かなり標高を稼いだな、というあたりで長いトンネルに入る。ここも分水嶺で、トンネルの中で(見えないけど)ローヌ川水系からライン川水系に変わる。ちょうどこの辺りで食事が出て、あまり揺れず景色も見えない分、ゆっくり食べることができる。

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最初にスープ、それから仔牛のカツレツにラタトゥイユとポレンタの盛り合わせ、ケーキかチーズ。調理係が大皿を抱えてやってきて、各人のお皿にどんどん取り分けていく。おしゃれな料理ではないが、量はたっぷり、お代わりまで勧められる。

トンネルを出るとアンデルマット。ここからさらに急勾配で斜面を上がり、頂上の峠がオーバーアルプパスヘーエ、標高2033mである。残念なことにこの辺りから天気が崩れ、下った谷間は本降りの雨。乗客も手持ち無沙汰で、お年寄りはお昼寝タイムだ。ものうげな雰囲気の中を(もう5時間近く乗ってるのだ)氷河急行グッズの車内販売がまわってくる。目玉は、例の斜めグラスであるが、みなさほど興味がないのか、あまり売れてないようだ(高いし)。売り子は私の横に来ると、「隣りの車両の日本人、全員買ったよ!」と期待を込めたまなざしで言った。日本人も色々なんだけどなー。

売り子が去った後、通路を挟んだ二人掛けの老夫婦がなにやら話しかけてくるが、(たぶん)フランス語なので理解不能。相席の婦人が通訳してくれる(彼女は三ヶ国語OKなわけね)。お決まりの日本から来たのか?に始まって、一人か、スイスはどうだ、楽しんでってくれよ、そんな話題。彼等は七十代くらいで、サンモリッツに行くらしい。服装もこぎれいで、ヨーロッパの映画に出てくる保養地の老人といった感じだ。こちらの席の老夫婦も同じような年齢だが、服装も物腰もぐっとカジュアルである。新大陸と旧大陸の文化の違いかな。

列車はクールに到着。ここで進行方向が逆になる。折りよく隣のボックスが空いたので、同席の三人に挨拶をして席を移る。フー、やっと体が伸ばせる。

10分もしないうちに、「ここ座っていい?」とシャーリー・テンプルのような顔立ちの婦人がやってくる。四人掛けなので、もちろんどうぞと言う。しかし、このご婦人はスゴかった。なにがって、体型が・・・小錦クラスで、大きなクッションを抱えてよいしょ、と席に身体を無理矢理はめ込む。テーブルがあるので、お腹がつかえて大変そうだ。クッションは長方形の巨大なサイズで、日本人の感覚では「羽根枕」そのものだ。この体型で四人掛けの席とは、さぞ窮屈な思いをしていたのだろう。何かの病気でこんなに肥満しているのかなと思うが、相席になった二時間ほどの間、ひっきりなしに飲んだり食べたりしていた。そりゃ太るよね。

列車は谷間を上がって行き、フィリズールの手前でかの有名なラントヴァッサー橋を通る。うひゃーの景色だが、一瞬でトンネルに入ってしまうし、窓が開かないので写真がイマイチだ~!チューリヒに向かうときにリベンジしよう。

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そこからの線路はあっちへぐるぐる、こっちへぐるぐる、ループの連続。乗り物好きにはたまらない。そして、長いアルブラトンネル。ライン川とドナウ川の分水嶺だ。

トンネルを出てほどなく本日の目的地、サメダン到着。全行程8時間弱に及ぶ氷河急行の旅だった。列車を降りてホームを歩き始めると、同じ車両の人たちがみんな窓越しに手を振ってくれた。フランス人の老人は投げキスだよ・・・。生「世界の車窓から」だったなあ。

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