2007年スイス旅行記その6~色々な出会い

最初に向かったのはプラトーという展望台。ここは雪原の上である。出口から100メートルくらい登った所が見晴台になっていて、ユングフラウが目の前だ。ここから見るユングフラウは黒っぽくごつごつした山容で、乙女というより魔女である。東洋人の若者グループが、雪合戦を始めた。雪なんて珍しくもないけどね、と思ったが、ユングフラウヨッホで雪合戦をしたなんてことは、あとになればいい思い出だろう。

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あまり天気が良くないので、エレベーターでさらに上のスフィンクス展望台へ向かう。ここは3571メートル、ついに今までの人生で一番高い所に来た。ここからはユングフラウとメンヒ、間にアレッチ氷河が見渡せる。メンヒは山頂部が丸く、修道士(?)というのがわかるような気がする。

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アレッチ氷河はアルプス有数の氷河で、南西に流れてローヌ川に注ぎ、地中海に達する。

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待てよ、グリンデルヴァルトの川はベルンを通ってライン川に合流するのだよね?ということは、ここはヨーロッパの分水嶺?それはスゴイ。分水嶺とか最○端とかがわけもなく大好きなのだ。

最高地点から、黒猫と姉にメール。さすが観光地、携帯がちゃんと使える。雲が多いが、晴れると日差しが強烈である。震えるほど寒いはずなのに、顔だけ熱くて痛い。しっかり日灼け止め塗ったけど、これはまずいかも。

気が付くと、もう2時だ。もう一本ハイキングの予定なので、そろそろ下山しないと。

下りの電車もやはり満員。トンネルを出てすぐの、アイガーグレッチャー駅で降りる。

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駅舎は崖の際にあり、目の前はドドーン!アイガー氷河だ。氷河といっても、急峻な山塊に張り付くような形で、末端は溶けた水が幾筋もの滝になって落ちている。その迫力にただただ圧倒される。

ここから、クライネシャイデックまで一駅分歩く。ずっと下りで、下に目的地が見えているので楽勝である。本当はアイガートレイルを歩きたかったが、季節が早すぎ閉鎖されていた。

アイガーグレッチャーの駅舎の周りは、お花が咲き始めたばかりという感じだ。こちらの人はむやみに手折ったりしないのだろう、道路沿いにも可憐な花がたくさんある。

もう一駅分歩けそうだったが、クライネシャイデックを前に雨が降り出したので、諦めてクライネシャイデックから下りの電車に乗り込んだ。座ると、急に疲れが出た。標高差2500メートルの往復は、予想より身体へのダメージが大きいようだ。

出発間際に、中年の女性と体格のいい青年が前の席についた。女性のほうはすっかり日に灼けた顔で、ポロシャツ、帽子、リュック、スカーフの全てにエーデルワイスの模様がついたいでたちをし、愛想良く青年と英語でしゃべっている。話の内容と英語がさほど流暢ではないことから、女性はスイス人なのだろう。わかる単語を拾い聞きしていると、微笑みながら話しかけてきた。彼女はユングフラウ鉄道のガイドで、今日の仕事を終えて帰るところ。青年のほうはイギリス人で、FIFAの仕事でユングフラウヨッホでサッカーしてきたんだよ、と言う。ユングフラウでサッカー?まさか。何かの冗談?いまいち話が見えないが、フットボール、知ってる?と聞くので取りあえず「ベッカム?」と答えた。彼は大笑いして、僕もマンチェスターユナイテッドにいたんだよ、もう辞めちゃったけど、と言う。ホントなのかなぁと思いつつも、サッカー選手で日本人を知ってるかと聞いたら、「ナカタ」と言われた。俊輔じゃないんですか~。

女性のほうは、どこを見たか、どこが気に入ったかと聞いてきたので、デジカメのモニターで写真を一緒に見ながら話をする。お花の写真が多かったので、あら、これもう咲いてるのね、とか、これは○○と言う名前よと教えてくれる。青い花を見て、こんなの日本にもあるかしら、と訊くので、たぶんあるんじゃないかと(ないかもしれないけど)答えると、彼女は目を輝かせて「そうよね!遠いけど、スイスも日本ももとは同じ、パンゲアだもの!」

びっくりするとはこのことである。中年のおばさんの口から、そんな言葉が出るなんて。大学を出てから初めて聞いたかもしれない。アルプスがあるだけに、スイスは日本より地学教育がしっかりしているのだろうか。女性がとても楽しそうに話していたので、なんだか嬉しくなった。

グリンデルヴァルトは晴れていて、山から戻ってきた人たちがオープンテラスでお茶を飲んだり、お土産を物色したりとメインストリートは混雑している。噂通り、半分は日本人という感じだ。レース屋さんでお土産を探すが、手ごろな値段のものはすべて中国製で、これではスイス土産の意味がない。奥には日本人の御婦人グループがいて、声高に品定めをしているが、そのうちのひとりが突然話しかけてくる。飾ってある横長の大きなクッションが欲しいのだが、中身の詰め物はいらないので、カバーだけ買いたい、でも何と言えばいいか分からないので店主に伝えてくれないかと頼まれる。そんな語学力はないが、なんとか知ってる単語をフル動員して説明。相手はさすが商売人、すぐに話が通じて、御婦人たちに感謝される。多分、彼女たちの身振り手振りと情熱で十分伝わったと思うけど。店主の感じがとても良かったので、私もここで母と義母用のお土産を購入。

ホテルに帰ると、夕食は窓際の席が用意されていた。雨は降ったり止んだりで、食事の間は強く降っていた。今日のメインディッシュは、牛タンのような肉のソテーと、ラタトゥイユ。

食事を終えてサロンにある夕刊を見る。「ベルン地方民報」といった感じのもので、地方の天気予報が詳しくのっている。ドイツ語は読めないけど、天気は地図に数字と絵入りなので、問題ない。天気を見たあと、何気なく一面を見てこれまた驚いた。ユングフラウヨッホで、サッカーをやっているではないか!

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雪の上に小さいけど人工芝が貼られたフィールドを作って、大男が何人もでボールを蹴っている写真だ。さっきの青年が言っていたのはこれだったのだ。彼は本当に元選手かスタッフで、今はFIFA関連の仕事をしているのだろう。もしかしたらサッカーファンなら知ってるような選手だったのかも・・・?

テラスに出てみると、ちょうど雨が上がって、夕日に染まるアイガーの横に虹が出ていた。しゅてき~!今日はあの山塊の中を電車で走って、てっぺんまで行ったんだよね。なんとも盛りだくさんの一日だった。

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