2007年スイス旅行記その10~マッターホルンを探せ!

今朝も5時頃に目が覚める。外は薄明るいが、乳白色の霧に包まれて、下の駅舎がぼんやり見える程度の視界しかない。こっちは雲の中だが、下界はマッターホルンが見えてたりしてね。

身支度をしているうちに、急に空が明るくなった気がして外を見ると・・・おおっ、あのトンガリ具合い、マッターホルンだぁぁ!

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山裾と先端部がかろうじて見えただけだが、感動!しかし数分でまた雲に隠れる。朝食に降りていくと、出会った夫婦に「一瞬しか山見えなかったね」と話しかけられる。みな、マッターホルンとのご対面を心待ちにしていたに違いない。幸い天気は良さそうなので、また見るチャンスもあるだろう。

朝食も品数が多く、従業員もフレンドリーで大変感じがいい。このホテルは決して安くはないが、気取った所はみじんもなく、たいそう居心地のいいところだ。

チェックアウトしてホテルの裏の山頂展望台に行く。テラスでは従業員総出で雪かきをしている。6月なのにね。ホテルの人は、もういいの?ぎりぎりの時間まで部屋使っていいのよ、と親切にも訊いてくれる。ハイキングするならいらない荷物預かっておくわよ、とも。不便を承知でリュックに一泊分の荷物だけ詰めてきたので、好意だけ頂いておく。どうもありがとう。

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ゴルナーグラート山頂の展望台、標高3130メートル。ヴァリスアルプスが一望(のはず)である。でも相変わらず雲が多い。時々モンテローザらしきものがちらっと見えるも、一瞬で雲に隠れる。風はほとんどないが、とにかく寒い。宿泊客が三々五々上がってくるが、マッターホルンの方向を背景に(雲しかないけど)記念写真を撮って、さっさとホテルに戻る。おかげで十分な静寂を楽しむことができた。

AM9:31山頂発の電車に乗る。この頃になると、下界からの電車が次々上がってきて、ラッシュさながら乗客がどっとはき出される。駅の横のテラスから氷河が見えるが、そこはもう観客が鈴なりで、マッターホルンはどっちだあっちだと大騒ぎである。まだシーズン初め、というかホテルはシーズンオフの様相だったけど、今からこんな様子では最盛期の人ごみが想像できるというものだ。

一駅下ったローテンボーデンで降りる。所々かなりの雪が残っているが、こちとら北海道育ち、残された足跡を辿って氷河を見に行く。崖の際から氷河への道もついていたが、そんな装備も技術もないので、安全な場所から写真だけ撮る。ゴルナー氷河は岩屑を多く含んで黒っぽい部分が多く、それがきれいな縞模様になって、いかにも「河」なのだなあと思う。

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ローテンボーデン駅の下には、逆さマッターホルンで有名なリッフェルゼーがあるが、氷結して湖面は半分くらいしか出ていない。ここは心の目で逆さマッターホルンを見る!

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リッフェルゼーから流れ出す渓流伝いに降りていくと、すぐに雪が消える。周囲は一面のガレ場だが、所々に高山植物が咲いて、のどかである。ふと、前方の岩場にいたちのように動くものがいる。静止して目を凝らす・・・いた!マーモット!まだこちらには気付いていないらしく、きょろきょろしながら岩場を行ったり来たりしている。最小限の動作でデジカメを構え、写真を撮る。

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何とかもう少し近づけないものか。一歩、足を出す。急に空を裂くようなかん高い鳴き声。岩場の高い所にもう一匹いて、それがしきりに鳴いている。私が見ていたマーモットはあっという間に巣穴に駆け込んだ。そうか、私に注意しろっていう鳴き声だったわけ。かみついたりしないよねと、巣穴まで行ってみる。ハンドボールがすっぽり入るような大きさで、中はかなり深いようだ。覗いても、マーモットは見あたらず、仲間がまだしきりに鳴いているので、可哀想になってその場をあとにする。岩場には所々同じような穴が開いているが、あれは全部マーモットの巣なのかな。

トレイルには、時々甘納豆のようなフンが落ちている。鹿っぽいけど。ウサギ?さっき電車を降りてから、かれこれ一時間ほどたつが、誰にも会わない。まあ、こんなところで変な男にばったり出くわすほど恐いこともないけど。やっぱり季節が早すぎたのかな。でも絶景独り占めでかえってよかったかも。

しばらく進むと、西に進んでいたトレイルが北へ曲がり、急斜面をトラバースするようになる。斜面にはびっちり植物が生えているが、かなりの傾斜で、すごいところにきちゃったなぁと思う間もなく突然濃霧に巻かれる。視界は前後10メートルかそこら、斜面がきついので、まっすぐに立っているのかどうかも不安なほどだ。こんなときに勘で進むと迷子になるって「山と渓谷」に書いてあったよ、と思い手近の石に腰かけお茶タイム。一本道がくっきり延びて迷いようもないのだけど、私は小心者である。

ほどなく霧が動いて視界が多少開けると、見上げた所の稜線に何か動くものが。鹿のようなのが二頭いる。遠すぎて判然としないが、アイベックスという動物か。角があるように見えないからただの鹿?

先へ進むと、リッフェルアルプ方向ととリッフェルベルク方向との分岐に出る。リッフェルアルプ方向に進むと、やがてガレ場になり、目の前には滝が。えっ?

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どうやって滝の向こう側へ?と焦るが、滝の横をジグザグに下りる道がついていて、滝の下を渡れるようになっていた。上からの飛沫で、スプラッシュ・マウンテン程度には濡れたかな。

滝を過ぎると、ほどなくリッフェルアルプの教会が見えてくる。この教会とマッターホルンを一緒に写した写真はよく見かける構図である。少し下ったところにレストランがあり、ここで昼食にする。テラスの前に遮るものがなく、最高のロケーションであるが、肝心のマッターホルンは頭の部分が雲の中。ここでトマトスープと白ワインを頂く。

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どのレストランのメニューを見ても、グラスワインの単位は「デシリットル」である。小学校で習ったけど、それ以降使った覚えがない。グラスワインは大体1か2デシリットルで、その上が5(カラフェで出てくるのかな?)、次にボトル(7.5だね)が注文単位だ。グラスにも、うっすらと線が引いてあり、そこが1デシリットルとわかるようになっている。たいてい溢れんばかりになみなみと注いであるが。

スープを頼むとパンがどっさりついてくるので、それだけで満腹になる。スイスは全体に味が濃い。日本でも冬が長い地域は、塩漬けの保存食を多用するので濃い味を好む人が多いらしいが、スイスもそうなのだろうか。

しかし、姿見せてよ~マッターホルン!お茶も頼んで一時間たっぷりテラスで粘るも、雲は美女に言い寄る男のように、次から次へとまとわりつく。先へ進むしかなさそう。

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