深山
秋の終わり。
絶好の行楽日和が続くけど、観光地はどこもGoToで溢れ返っているらしいので、人気のなさそうな場所を探す。
「近くで軽いハイキングができるところ」という私のリクエストに黒猫が探してくれたのは、仙台から南へ30キロ強、山元町にある「深山(しんざん)」。

山麓の少年の森に車を停めて、神社から登山スタート。


道は整備されていて歩きやすい。
デッキシューズで歩く超軽装の親子連れもいるほど。

紅葉のきれいな山ではないが、アキノキリンソウ(たぶん)が秋らしさを醸し出している。

ヤマブドウも。これを目当てに熊が出そう

標高287メートルの低山なので、駐車場から一時間ほどで山頂到着。
何やら石造りのモニュメントが・・・ハイジっぽいが?


「鎮魂の鐘」
あ、そういうやつ・・・。
そうだよね、ここから眺める海は、たくさんの命を奪った海なのであった・・・。
東北太平洋側の、見晴らしのいい所には大抵このようなモニュメントがあって、訪れるものに「忘れるな!」と強く迫ってくる。
非常に重い気分になるのだが、あの惨事をなかったことにしたくないのだから仕方ない。
今見るその海はとても穏やかで、毎日太平洋を見ながら育った私としては、やはり心安らぐ景色だ。

山頂から南東方向を望む。
遠くの大きな港は、福島県の相馬港。

北東方向を望む。
海岸沿いには潟湖も多く、北寄りに「鳥の海」が見える。

なぜかポップな書体の山頂サイン。
見えているのは海とは反対側、角田盆地。中央を阿武隈川が流れている。
雲がなければ蔵王も見えそう。
♢ ♢ ♢
深山があるのは、角田丘陵という南北20キロ、幅3キロほどの細長い山地。
阿武隈山地の一番北端にあたる。
歩いているとき足元に花崗岩があるな、と思っていたが、山地の北端や南側にはデボン紀の地層も出ているらしい。
中古生代の地層が、背骨のように突き出して形成されたちょっと面白い山地なのだった。
♢ ♢ ♢
帰りは鳥の海で「はらこめし」でも食べて・・・と行ってみたが、はいGoTo!
どこも車やバイク(他県ナンバー多し!)で溢れ返っていて、とてもじゃないが参戦する気になれずとっとと家に戻ってきた。
ふと見ると、近くの楽天の球場には懐かしいファイターズの旗(左端)が・・・。

今年はコロナのせいで野球もいまいち、もちろん札幌にも近寄れず、ファイターズ戦はお預けだった。
そうか、今日はそこに来ているのか・・・と食指が動いたが、試合状況をチェックしたところ、ちょうど楽天がタイムリーを放ったばかり、劣勢のようだからやめておいた(結局ボロ負け)。
来年は普通に野球観戦がしたいものだ

そしてGoToトラベル、どこもかしこもすんごい人出なんだけど、大丈夫なのかこんなで?と思った一日だった
